SKUとは?ECサイトにおける最小管理単位の基本をマスター
まずは概要を解説します。SKUとは「Stock Keeping Unit」の略称です。日本語では「在庫保管単位」と訳されます。ECサイトにおける商品の最小管理単位だと考えてください。
多くの人が「商品数(アイテム数)」と混同してしまいます。しかし、これらは明確に使い分ける必要があります。在庫管理を正確に行うためには、SKUの概念が欠かせないからです。
なぜ必要なのか?
例えば、1種類の「無地Tシャツ」を販売するとします。このTシャツに「ホワイト・ブラック」の2色があるとしましょう。さらにサイズが「S・M・L」の3種類用意されています。
このとき、商品は1種類ですが、実際に管理する在庫は「2色×3サイズ」で合計6つになります。この「6」という数字がSKU数です。
もしSKUを分けずに「Tシャツ」という単位だけで管理したらどうなるでしょうか。「Mサイズが欠品しているのに、注文を受けてしまった」というミスが起こる可能性があります。正確な在庫数を把握し、発注ミスを防ぐためには、この最小単位での管理が不可欠なのです。
また、売れ筋を分析する際もSKU単位の情報が役立ちます。「どの色が人気か」「どのサイズが動いているか」を数値で把握できるからです。SKUは、効率的なEC運営を支える「土台」と言えるでしょう。
混乱しやすい「商品数(アイテム数)」との違い
実務の現場では「商品数」という言葉が曖昧に使われがちです。しかし、システム構築や在庫管理においては「アイテム数」と「SKU数」を明確に区別しなければなりません。この違いを正しく理解していないと、物流業者との打ち合わせや、システムの登録作業で大きな食い違いが生じてしまいます。
比較表で見る違い
まずは、以下の表でアイテム数とSKU数の違いを整理してみましょう。
| 項目 | アイテム数(商品数) | SKU数(最小管理単位) |
| 定義 | カタログ上の種類 | 実際に管理する在庫の細分化単位 |
| 具体例 | VネックTシャツ | VネックTシャツ / 白 / Sサイズ |
| 用途(使い方) | 商品ラインナップの把握 | 在庫管理・発注・ピッキング |
| 特徴 | 顧客が選ぶ「商品名」に近い | バーコード(JAN)と紐付く単位 |
SKUが増えすぎることのリスク
「選択肢が多い方がお客様は喜ぶはずだ」と考え、SKUを際限なく増やしてしまうケースが見受けられます。しかし、SKU数が増えすぎることは、運営コストの増大に直結します。
例えば、1つのアイテムに「5色×5サイズ」の展開を作ると、それだけで25SKUになります。管理すべき棚が増え、棚卸しの手間も25倍に膨れ上がります。
無計画にSKUを増やすのではなく、売上と管理コストのバランスを冷静に見極めることが、EC運営のプロには求められます。
EC運営における重要なSKUの「決め方・採番」3つのルール
SKUコード(管理番号)をどう決めるかは、EC運営において重要な作業の一つです。適当に連番を振るだけでは、多くの場合、将来的に限界が来る可能性があります。プロが実践している「失敗のリスクを軽減するための3つのルール」を押さえておきましょう。
1. 意味を持たせすぎない
SKUコードを一目見て、中身がわかるようにしたいと考える方は多いでしょう。
しかし、すべての情報をコードに盛り込むのは危険です。「カテゴリー・商品番号・色・サイズ」程度に留めるのが理想的です。
情報を詰め込みすぎるとコードが長くなり、入力ミスやシステムエラーの原因になります。中身が推測できる程度の「ほどよい短さ」を意識してください。
2. 桁数を統一する
すべてのSKUコードは、同じ桁数で揃えるのが鉄則です。ある商品は5桁、別の商品は8桁といったバラバラの状態は避けなければなりません。桁数が統一されていないと、Excelでの並び替えやシステムの照合で予期せぬエラーが発生します。
「0(ゼロ)」を使って桁を埋める「ゼロパディング」という方法を活用しましょう。
例えば、商品番号が「1」なら「001」とする工夫です。これだけでデータの整合性は格段に高まります。
3. 重複しない・使い回さない
当たり前のことですが、一度使ったコードを他の商品に再利用してはいけません。たとえその商品が廃盤になったとしても、です。過去の売上データと新しい商品のデータが混ざり、分析が不可能になります。
また、将来的に扱う商品数が増えることを見越して、余裕のある桁数設計をしておくことも大切です。「一度決めたら二度と変えない」という覚悟で設計に臨みましょう。
ECのプロが教えるスマートな採番(コード)サンプル
ルールを頭に入れても、実際にゼロからコードを考えるのは難しいものです。
ここでは、ECサイトで利用しやすい汎用的な採番モデルをご紹介します。
スマートな採番の構成例
基本は、情報をハイフン(-)で区切る構成です。例えば、以下のような組み合わせが推奨されます。
CAT(カテゴリ)- ITEM(商品番号)- COL(色)- SIZ(サイズ)
このルールに従って、アパレル商品を採番してみましょう。「アパレル(APP)カテゴリの、商品番号001、ホワイト(WH)、Sサイズ」の場合、コードは以下のようになります。
APP-001-WH-S
このように、コードの一部を見るだけで「どこの、何の商品か」が推測できます。これが、管理のしやすさとデータの整合性を両立させるポイントです。
やってはいけない!NG例とその理由
一方で、システムエラーを招く「やってはいけない採番」も存在します。以下の3点は特に注意してください。
・全角文字の使用(例:APP-001)
システムが正しく認識できず、データ連携に失敗します。必ず「半角英数字」を使用してください。
・紛らわしい文字の使用(例:0とO、1とl)
数字の「0(ゼロ)」と英字の「O(オー)」、数字の「1(いち)」と英字の「l(エル)」は、肉眼での判別が困難です。入力ミスを誘発するため、使用を避けるかルール化しましょう。
・スペース(空白)を含める
コードの途中にスペースを入れると、コピー&ペーストの際に消えてしまったり、検索にヒットしなかったりするトラブルが多発します。
シンプルで、誰が見ても間違いようのない構成。それが、優れたSKUコードの条件です。
ECサイト運用開始後に「SKU設定」でハマる落とし穴
SKUを一度決めて運用を始めると、後からの変更に際して多大な労力やコストがかかる場合があります。「とりあえず決めて、後で直せばいい」という考えは捨ててください。運用開始後に陥りやすい、2つの大きな落とし穴を紹介します。
ECモール展開時のSKU統合の難しさ
自社サイトだけでなく、楽天市場やAmazonなどのショッピングモールへ出店する場合です。各モールでバラバラのSKUコードを振ってしまうと、在庫の連動ができません。
「自社サイトでは売れたのに、楽天の在庫が減っていない」という事態が起こります。これを防ぐには、全チャネル共通の「商品管理番号」を設計段階で決めておく必要があります。多店舗展開を視野に入れているなら、最初から統一されたコードを用いるのが鉄則です。
SKUコード変更によるシステム不整合とSEOへの影響
「やっぱりコードの体系を変えたい」と思い、途中で変更したとしましょう。すると、過去の受注データとの紐付けがすべて切れてしまう可能性があります。
売上分析ができなくなるだけでなく、顧客の購入履歴も正しく表示されないといった状況を招くことも。
さらに、ECサイトの仕組みによっては、SKUコードが商品ページのURLに含まれることがあります。コードを変えることは、URLを変えることです。それまで積み上げてきたSEO(検索エンジン最適化)の評価に影響を及ぼし、リセットに近い状態になる恐れがあります。その結果、検索順位が急落し、売上が激減するリスクも否定できません。
SKUは単なる記号ではなく、サイトの「住所」や「家系図」のような役割を果たしています。最初の設計がいかに重要か、改めて認識しておく必要があります。
まとめ│ECサイトに関するご相談はスタジオカレンまで
SKUは、ECサイトにおける「背骨」のような存在です。表からは見えにくい部分ですが、この設計が不十分な場合、サイト全体の運用に大きな支障をきたす可能性があります。
「とりあえず」で決めた管理番号が、将来の成長を妨げる足かせになることもあります。正確な在庫管理、スムーズな発送作業、そして精緻な売上分析といったECサイト運営の基盤は、論理的に設計されたSKUから構築されます
まずは自社の商品ラインナップを整理し、今回ご紹介した「3つのルール」に沿って採番を検討してみてください。最初の設計に手間をかけることが、数年後の安定した運営につながります。
もし、自社に最適なSKU設計や、効率的なECサイト構築にお悩みなら、ぜひスタジオカレンにご相談ください。EC構築のプロが、現場目線で最適なプランをご提案します。あなたのビジネスの土台作りを、私たちが全力でサポートいたします。
